エステで受ける「幹細胞治療」とクリニックで受ける「幹細胞治療」の違い|再生医療のお話㉚

美容医療の分野において『再生医療』が注目される昨今、『先日、エステで幹細胞治療を受けました』という声を聞くことがあります。そう話す方の多くは、ご自身が再生医療を受けたと思っているようです。しかし、エステで再生医療を行うことはできません。もし、再生医療の施術を行っているエステがあれば、それは違法です。

今回はエステで幹細胞治療と呼ばれる施術とクリニックなどの医療機関で受ける幹細胞治療の違いについてお話します。

厚生労働省による治療計画書の受理が必須

幹細胞治療は、多くのクリニックで行われていると思われがちですがどの医療機関でも幹細胞治療を受けられるというわけではありません。幹細胞治療は厚生労働省に治療計画書が受理された医療機関のみが行うことができる治療です。治療計画書が受理された医療機関が提供する幹細胞治療は、厚生労働大臣の認定受けた特定認定再生医療等委員会の審査を受けており、信頼できる安全な治療です。医療機関ではないエステでは幹細胞治療を行うことはできません。

幹細胞培養上清液

インターネットをみるとエステの広告やウエブサイトで「ヒト幹細胞専門エステ」「ヒト幹細胞導入」という文言を見ることがありますが、これはヒト幹細胞を使っているわけではありません。では、エステが行なっている幹細胞治療とは、いったいどんな材料を使用しているのでしょうか?

エステが幹細胞治療とうたい使用しているのは、幹細胞培養上清液です。幹細胞培養上清液は幹細胞を培養し取り出す際にできる「上澄み液」のことを言います。もしくは、この上清液を利用した美容液を使っているエステもあるようです。

こちらの幹細胞培養上清液はエステでもクリニックでも使用は可能なのですが、エステは医療機関ではありませんので医療行為は認められていないため、針を使用した注入を行うことはできません。そこでどのように導入するかといいますと、電気パルスで一時的に皮膚に穴を開ける「エレクトロポレーション」、皮膚からは吸収しづらい成分を微弱電流を流してイオン化し、皮膚の深部まで浸透させる「イオン導入」などを用いて導入しているところが一般的なようです。

しかしながら、エステで行うことができるイオン導入は医療機関よりも弱く、マッサージやリラクゼーションを目的としていますので期待する効果は、得られない場合もあります。

一方では、クリニックや病院ではしっかりとした出力でのイオン導入も可能ですし、針で直接注入することも可能です。また、クリニックでは、幹細胞培養上清液をダーマペン水光注射、ポテンツアなどで導入するところが多く、これらのデバイスを利用することで培養液をしっかりと真皮まで到達させることができますのでエステでの施術よりも効果を実感することができるでしょう。

効果の面では、クリニックの信頼性が高いことがメリットとなりますが、価格の面では、エステよりもクリニックが高価となり、デメリットと捉える方もいらっしゃると思います。

しかし、現在の日本では、幹細胞培養液を使った治療、特にエステに関しては、品質が良いものから、品質が信頼できない幹細胞培養液が混在しているのが現状です。

幹細胞治療に限らず治療を受ける際は、なるべく多くの情報を集めて、信頼できるクリニック、エステサロンを見つけることが重要でしょう。

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