「ウゴービ®」肥満症治療薬が保険診療で認められました!ウゴービとオゼンピックの違い

みなさんはオゼンピック®、リベルサス®、マンジャロ®、サグゼンダなどの糖尿病治療薬をご存じですか?

2023年3月、肥満治療薬として「ウゴービ®皮下注」が厚生労働省に承認されました。

現在のところ発売日は未定となっており、まだクリニックで処方することはできません。

当院ではオゼンピック®とリベルサス®を処方しております。

今回は「ウゴービ®皮下注」(以下ウゴービ)について解説させていただきます。

ウゴービ皮下注とは

 ウゴービ皮下注 患者向医薬品ガイド

「セマグルチド」という一般名で、GLP-1受容体作動薬に分類されます。肥満症に使用する初のGLP-1受容体作動薬です。

これは当院でも処方しております「オゼンピック」や「リベルサス」と同じ成分です。

GLP-1受容体作動薬は2型糖尿病の治療薬として2010年に日本での使用が開始されました。正常な人では、食事をした後に膵臓からインスリンホルモンが分泌されることで健康を保てます。インスリンの分泌に異常が生じると、2型糖尿病を招いてしまいます。

インスリン分泌を促すインクレチンというホルモンの一つにGLP−1があり、膵臓のβ細胞にあるGLP-1受容体と結合してインスリン分泌を促し、血糖値を下げます。糖尿病治療薬であるGLP−1受容体作動薬は、インスリンの分泌を促進し、血糖値をコントロールすることができます。

また、GLP−1は血糖値をコントロールするだけでなく、食欲を抑制したり、脂肪に働きかけたりとダイエットにとても有効な働きをすることが明らかとなり、世界的にも有効なダイエット薬として使用されています。GLP-1は食欲を抑える画期的な薬であり、どうしても毎日の食欲に勝てないという方に適しています。今までは日本では、GLP-1受容体作動薬は糖尿病治療薬であり、肥満治療薬としての適用はありませんでしたが、今回から「ウゴービ」は日本で初めて肥満治療薬に保険適応となるGLP-1受容体作動薬となりました。

保険適応の基準は?

ウゴービは日本では下記の方に対して保険適応となり処方可能となっています。

高血圧・脂質異常症・2型糖尿病のいずれかを有し、食事療法・運動療法を行っても十分な効果が得られず、以下に該当する場合に限る。

●BMIが27以上で2つ以上の肥満に関連する健康障害*を有する

●BMIが35以上

*肥満に関連する健康障害:

 ・耐糖能障害 (2型糖尿病・耐糖能異常など)

 ・脂質異常症

 ・高血圧

 ・冠動脈疾患

 ・脳梗塞・一過性脳虚血発作

 ・非アルコール性脂肪性肝疾患

 ・月経異常・女性不妊

 ・閉塞性睡眠時無呼吸症候群・肥満低換気症候群

 ・運動器疾患 (変形性関節症:膝・股関節・手指関、変形性脊椎症)

 ・肥満関連腎臓病

肥満は「太っている状態」を指す言葉で、病気を意味するものではありません。

一方、肥満症は肥満に伴って合併症がある、または合併症になるリスクが高いため、治療の必要があります。

使用方法について

投与方法は「オゼンピック」と同様、週1回皮下注射を行います。
容量は0.25㎎、0.5mg、1.0㎎、1.7mg、2.4mgの5段階があり、0.25mgからスタートし4週毎に増量していきます。

オゼンピック®とウゴービ®の違い 

ウゴービは「オゼンピック」や「リベルサス」と同様に、脳の満腹中枢に働きかけ、食欲を抑制することで体重減少効果が期待されます。

「オゼンピック」との違いは、投与可能な最大量です。

「オゼンピック」の最大投与量が1.0mgであったのに対して、ウゴービは最大2.4mgの投与が可能です。

ウゴービの実際の効果とは

ウゴービの効果については多くの臨床報告がすでに報告されていますが、日本を含む国際共同臨床開発プログラム「STEP試験1~6」の試験結果の一部をご紹介します。

セマグルチド2.4mg, 1.0mg, プラセボの3グループにわけ、それそぞれ68週間にわたり週1回の皮下注射を受けました。さらにすべてのグループに食生活の是正の介入、1週間に少なくとも150分のウォーキング指導が行われました。

結果はセマグルチド2.4mg, 1.0mg, プラセボのそれぞれでベースのもともとの体重から10.6%, 7.6%, 3.1%の体重減少を認めました。

副作用や注意点

5%以上に認められる副作用として、

食欲減退、頭痛、悪心、下痢、嘔吐、便秘、消化不良、おくび、腹痛、腹部膨満

などが報告されています。

重大な副作用としては、低血糖(頻度不明)、急性膵炎(0.1%)、胆嚢炎、胆管炎、胆汁うっ滞性黄疸(いずれも頻度不明)の報告があります。

まとめ

これまで「肥満症」に対する保険診療で使用可能な薬物は「サノレックス」や「防風通聖散」が主流でした。

今回の「ウゴービ皮下注」は長期間使用でき、効果が高い肥満症治療薬として期待ができそうです。肥満症の方が体重を減らすことで生活習慣病の発症を予防したりすることができ、健康寿命の延伸にも期待できそうです。

当院ではオンライン診療でもオゼンピック、リベルサスの処方を行っております。尚、「ウゴービ皮下注」の発売開始は未定です。また何か動きがありましたらまた改めてブログで報告いたしますね。

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