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ACRSとは

ACRSとは、Autologous Cytokine Rich Serum「自己血サイトカインリッチ血清」のことです。つまり、患者様から採取した血液を使用した治療です。血清というのは白血球や赤血球などの細胞を除いた液体のことです。
このACRSで用いられる血清には、老化の原因となる慢性炎症を抑制する成分（サイトカインと呼びます）や成長因子が豊富に含まれております。もともとACRSは膝の怪我や変形性膝関節症などに対しての治療に使われており、確立された治療となっております。 こちらを肌に応用し、このACRSを顔や首や頭皮（毛髪）の肌の内部に注入することで肌再生を促し肌のアンチエイジング効果につながります。

３時間後

患者様から採血した血液を特殊なガラス容器に入れて37℃で約3時間温めます。
この間、多くの抗炎症性サイトカインや成長因子が血小板から放出され、血液中には採血した時よりも濃い濃度の成長因子や抗炎症性サイトカインが含まれるようになります。個人差はありますが、採血時の血小板が放出する成長因子の約5倍多く含まれると言われています。
次に３時間温めた血液を遠心分離機（高速で回転することで血液を成分ごとに分離させます）にかけ、アンチエイジング効果のある成長因子や抗炎症性サイトカインなどの有効成分のみを抽出して分離します。これがACRSです。ACRSには、外部から血液凝固剤や他の成長因子などの成分は加えられていないので、感染やアレルギーの心配がなく肌の表面に注入しても安全です。

実は、“加齢“と“炎症“は密接な関係にあると言われています。
炎症とは、身体が感染や外傷、細胞の損傷などに反応して起こる自然な防御メカニズムです。炎症は、損傷した組織の修復や感染症の治療に役立ちますが、過剰な炎症は痛みや老化の原因となります。
年を重ねると若いときに比べ、炎症性サイトカイン（炎症を起こす成分)が常時、体の中に多く認められるようになり、慢性的（長期間続いて繰り返している状態）に体内に炎症が起きている状態となり、これは慢性炎症と呼ばれます。
こういった炎症を食い止めるに抗炎症性サイトカイン（炎症を抑える成分）が存在し、私たちの体を健康に保つために重要な役割を担います。

血中に炎症性サイトカイン(炎症を起こす成分)が増えると、血中の抗炎症性サイトカイン（炎症を抑える成分）が増加し炎症を抑えます。慢性炎症が起こっている状態は、常に炎症性サイトカインと抗炎症性サイトカインのバランスが炎症側に傾いているということになります。慢性炎症の状態にあると多くの病気にかかりやすくなります。特に、下記のような病気の患者様において血液中の炎症性サイトカインの上昇が認められています。

ACRS療法は、抗炎症性サイトカイン（炎症を抑える成分）と成長因子を肌から体内に入れることで、炎症側に傾いているアンバランスな状態をできるだけ元に戻し、健康な状態に近づけることが期待できます。

ACRSは、患者さまご自身の血液から製造するため、余計な添加物は一切使用せず、アレルギーや副作用のリスクは極めて低い治療です。
肌に注入した後、一時的な赤み、腫れ、熱感、軽い点状出血、色素沈着などが出ることがありますが、一時的な症状であり、数日で改善します。
患者様から血液から作ったACRSは保存できますが、保管期間は最大3カ月間となります。